2023年12月大阪整形外科セミナー所感

2023年12月3日

整形外科における器具やインプラントには様々なメーカーがあります。形や材質や値段まで本当に様々です。見た目も使い方も同じなのに値段が数倍以上という話が当たり前のちょっとシュールな世界とも言えるかもしれません。これまで当院では、人医療での整形外科領域の世界的メーカーで獣医療製品も手がけるアメリカの某社の製品が動物にとっての最善の製品と考え使ってきました。今回のセミナーでは良い意味でその考えが少し変わりました。

これまで使用してきた某社は、上記のような世界的メーカーでしたが、それと同時に少し残念な表現となりますが、主戦場が人医領域であり獣医領域は副領域という表現ができるかもしれません。その根拠は、今回のセミナーを開催してくれたメーカーが、6つの会社を合弁し立ち上がった同じくアメリカに本社をおく会社であり、その最大の特徴は獣医療のみを対象とした商品展開を行なう事で達成しうる商品開発速度にあります。これまで使用してきた某社の製品は本当に良かったと感じています。しかし、今回のセミナー主催メーカーの商品開発速度と比較すると、商品のアップデートが緩慢でした。それがもしかすると獣医療が副戦場であるからかもしれません。セミナーを通して痛感した事は、わずか数年前に誕生した6社の合弁会改良速度の速さは凄まじく、誕生数年でもはや弱点がもはやないのでは?と思える位、獣医師の意見が反映された製品に仕上がっていることでした。

結論に急に飛びますが、治療が難しいとされているトイ種の骨折と大型犬の前十時靭帯断裂におけるTPLO術に使用するインプラントは、当院では、この度のセミナー主催メーカーの製品を選択しようと決断することができたとても有意義なセミナーでした。目には見えない領域ですが、それが動物に最善と思えて製品を使用できる事は、動物にも飼主の方々にも獣医師にも大きなアドバンテージを与えてくれると考えています。

獣医師:伊藤

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