4月12日に『抜け毛』についての皮膚科セミナーに参加してきました。
動物の脱毛症のうち、なかなか治療が困難なタイプとして先天性脱毛症が挙げらます。先天性脱毛症には、色素が関連しないパターン脱毛症や色素が関連するカラーダイリューション脱毛症、黒色毛包発育異常症などが代表的疾患としてあげられます。後天性の脱毛症には、全身症状を伴わない毛周期停止や側腹部脱毛症があげられ、全身症状を伴うもとしてクッシング症候群、甲状腺機能低下症、性ホルモン失調などが代表的な疾患です。
難知性の抜け毛が主訴の場合には、様々な検査が必要となることがありますが、基本的な検査としての抜毛検査での毛周期の確認がとっても大事になることもあります。ちょっとかわいそうですが、診断のための大きな一歩となることがあります。
先天性脱毛の育毛には、いまだに画期的な治療方法がないものの、ビタミンEやアミノ酸、メラトニンなどが有効な場合があります。たとえ有効であった場合でも、毛が生えるには、最低3ヶ月もの時間がかかる場合もあり根気が必要です。人の育毛も大変ですが、ワンちゃんの発毛にも長期間必要なことを改めて学んだセミナーでした。
獣医師 半澤