皮膚科講習会

7月20日、皮膚科専門医である村山信雄先生による「猫の痒み」の講習会に参加してきました。  猫でよくみる痒みの原因としては、ノミやダニの寄生、皮膚糸状菌による感染症、精神的要因やアレルギー等があり、症状がわかりづらい猫は原因の追究が難しいこともあります。  その中でも今回は、アレルギーに関して少し記載します。一般に猫の病気は犬に比べると解明できていない部分が多くあるとされ、猫のアレルギーの原因についてもまだしっかりと同定はできていません。ただし、フードを変更すると改善する子はいるため、便宜上は食物アレルギーが存在すると考えられています。各メーカーが食物アレルギー用のフードを販売してはいますが、残念ながら完璧な食事は未だ存在していません。また、食物アレルギーの検査の1つであるIgE抗体検査についても、確定診断の方法としては不完全という意見も多くあります。  強い痒みは、人にとっても辛いものです。ネコちゃんは、症状がわかりづらい上に舌がザラザラしている分、脱毛やなめ壊し等で悪化させ、二次病変(細菌感染)を作ってしまいます。そのため、様子を見てしまうとさらに治療に時間を要してしまうことになります。毛がうすくなっていることを指標にして、早めに受診されることをお勧めします。  また、病変の全てに対してアレルギーが関与しているわけではありませんが、普段からフード等を気にかけておくのはよいことだと思います。

獣医師:半澤

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