わんちゃんの歯磨き

2016年6月28日

こんにちは!
5月も終わり、暖かい日が増え、お散歩が楽しい季節になってきましたね。
お昼の気温の高い時間帯には、熱中症に気を付けましょう!

さて今回は、なかなか難しいと言われているわんちゃんの歯磨きについての内容です。
わんちゃんの口臭、歯肉炎などが気になっていて、歯磨きにチャレンジしたいと思っている方も多いのではないでしょうか?

○歯の管理が必要な理由
近年、わんちゃんの口腔内衛生に対する意識の向上により、中高齢のわんちゃんが動物病院に来院する理由の上位に、口腔内疾患があげられるようになってきています。口腔内疾患の中でも歯石による口臭や歯肉炎が多く、近年の報告ではこの歯石に付着する口腔内細菌が、傷んだ歯肉から血管内へと進入し、さまざまな病気を起こす原因となることがわかってきています。わんちゃんの健康を守るためにも、口腔内のケアはとても大切です。

○歯石と歯肉炎
歯石とは、歯に付着した歯垢と、唾液中に含まれるカルシウムなどが反応して石灰化した固形物です。数年かけて徐々に蓄積し、一度歯石がついてしまうと自宅での除去が困難なことから、日常の管理による予防が重要といえます。歯石の予防には歯の表面についたヌメリ(歯垢)を除去する必要があります。
歯肉炎は一度なってしまうと痛みにより口を触られるのをとても嫌がるようになってしまうため、問題が起こってからでは歯磨きを始めるのは非常に難しくなります。幼いころから口の中を触られる練習をしておくのが良いでしょう。

○歯磨きの方法
いきなり歯を磨こうと無理をしてしまうと歯磨きが嫌いになってしまい、その後が大変になってしまうので、長い目で見て徐々に慣れさせてあげることを心がけましょう。
・始めの1~2週間
歯磨きの練習は、わんちゃんも飼い主もリラックスした気分の良い状態で始めましょう。始めは頭や口周りを撫でたり触れるようにし、一度に行う時間は1~2分と短い時間にします。指で奥歯だけや歯茎を軽く触れることもしてみてください。終わった後は遊んであげたり、ご褒美をあげて褒めてあげましょう。

・2週間目~2か月目
指で全ての歯に触れてみましょう。一度に行う時間は5分程度とし、慣れてきたらガーゼや指サック、軍手で歯や歯茎をこすり始めます。ここで焦らずに、嫌がるようなら無理せず前のステップに戻ることも大切です!わんちゃんのペースに合わせてあげましょう。

・2か月目以降
いよいよ歯ブラシの挑戦です。歯ブラシはわんちゃんの大きさに合わせて動物用や成人用の歯ブラシが利用できます。また小さいわんちゃんの場合は小児用の歯ブラシをカットして利用できます。通常、推奨される方法は、ブラシを歯肉に対して45度の角度にあて、そっと円を描くように歯の根元から先端に向けて磨いていく方法ですが、それぞれの歯(特に歯肉との境目付近)をさっと擦るだけでも効果的といわれています。歯ブラシも少しずつ慣れさせてあげるように、ゆっくり進めていきましょう。

歯磨きは、歯ブラシで磨くことが一番効果的と言われていますが、わんちゃんの性格や大きさによっては困難な場合もあるので、口腔内を傷つけてしまうときや無理と思われる場合は、ガーゼや指サックで行うようにしてください。
歯垢が歯石になるまでは3日かかるといわれていますので、毎日の歯磨きが大変な場合は、3日に1回を目標に頑張ってみましょう。

当院では歯磨きを少しでも手助けできるような各種グッズをご用意しておりますので、ご興味のあるかたはスタッフまでお気軽にお声がけください^^
わんちゃんのためにも、歯磨きの習慣を身に着けられるようチャレンジしてみてください。

看護師:小野

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