こんにちは。当院で一番のネコ好きを自負している看護師の阿部です♪
ネコ学を少しづつ勉強しながらネコ飼いの皆さまにココで情報発信できればと思っています。今回は、高齢ねこちゃんに多い病気として、甲状腺機能亢進症についてまとめてみました。ご興味のある方は是非お読みください!
最近では、人と同じようにねこちゃんも高齢化が進んできています。
猫ちゃんの平均寿命は約15歳とも言われていますが、20歳くらいの猫ちゃんをみかけることも少なくありません。人の年齢に換算すると96歳!すごいことですね。
10歳以上の高齢猫ちゃんに多い病気のひとつに甲状腺機能亢進症という病気があります。
お家の猫ちゃんで、ごはんはたくさん食べるのに最近痩せてきた、落ち着きがなく活発になった、攻撃的になり性格が変わった、という症状はありませんか?
今回はその甲状腺機能亢進症についてお話ししたいと思います。
●甲状腺機能亢進症ってなに?
・甲状腺の腫瘍化、過形成が原因で生じ、甲状腺ホルモン(体の代謝を上げるホルモン)の分泌が異常に活発になる病気です。
●主な症状
・食欲が異常に増える、その割には痩せてくる
・水をたくさん飲む
・尿量が増える
・毛づやが悪くなる
・落ち着きがない
・攻撃的
・目つきがギラギラしている、などです。
●診断
血液検査で甲状腺ホルモンの数値を測定することでわかります。
高齢の猫ちゃんではその他の疾患が隠れていないかどうか腎臓や肝臓など全体的な血液の数値をみて評価する必要がある場合があります。
●治療
根本的治療として手術で甲状腺を切除する外科治療と、甲状腺ホルモンの合成を阻害するお薬を投与する内科治療があります。
※外科治療だと麻酔をかけての処置になるのでどうしても麻酔のリスクがあり、お薬を投与する内科治療でも、高齢の猫ちゃんの場合、腎性高血圧を併発していることが多いので慎重にお薬の投与を行わなければなりません。
実際に私が昔飼っていた猫がこの病気でした。
上記の通り、異常な食欲でごはんをあげてももっと食べたがり、その割にはガリガリに痩せてきて、いつもは寝ているのに急に家中走り大声で鳴き、とにかく元気!というのが印象的でした。
最初はこの病気のことを知らず歳のせいかな?と思っていました。
残念ながらうちの猫は19歳で亡くなってしまいましたが、小さいころから一緒に育ってきたので猫が17歳のときにこの病気だと発覚した時は、うちの子もそんな歳になってしまったんだなあとなんだか寂しくなった記憶があります。
ずっと一緒に暮らしてきた大切なねこちゃんだからこそ、歳を取っても少しでも元気でいてほしいですよね。
みなさんのお家のねこちゃんで、「うちの子もこんな症状あるかも!」「もう歳だからうちの子もなんだか心配」、という方がいらっしゃいましたら一度ご相談ください。