タマネギ中毒

2011年11月20日

食卓の食べ物を何か食べてしまったり、散歩中に何かを拾って食べてしまった、
というご経験は、多くの飼主の方々がお持ちと思います。
大半の場合には、大事に至らずに済みますが、タマネギやネギ類、チョコレート、
骨付の肉類を摂取してしまった場合には注意が必要です。

下の写真のような尿をした場合には、タマネギ中毒による溶血性疾患が疑われます。
タマネギ中毒は、非常に早いスピードで重篤化する事があります。このような場合、
尿もしくは尿のついたシートを持参して、すぐに動物病院を受診することが大切です。
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タマネギ中毒とは
タマネギに含まれるアリルプロピルジスルファイドという成分が、胃を通して犬の体内に吸収されると、赤血球の膜を破壊(溶血という現象)してしまいます。一度に大量の赤血球が破壊されることで、溶血性貧血を起こし、重度の場合亡くなってしまうことがあります。犬の体質によって、少量の摂取では問題にならない事もあれば、僅かな摂取で重度の中毒へ発展してしまうこともあります。また、中毒発症後も緩やかに進行する場合と、急激な進行を示す場合があり、このような個体差があるのも、タマネギ中毒の特徴の一つといえます。

タマネギ中毒の原因物質は、熱を加えた状態でもなくならないので注意が必要です。

タマネギ中毒の治療
摂取されたタマネギが、胃から吸収されて血液中に入ってしまった場合、確実に中毒を予防する方法がないため、胃から吸収されてしまう前に催吐処置によってタマネギを吐かせてしまうことが肝心です。また、中毒が発生してしまった場合には、抗酸化剤やステロイド剤を使用して赤血球の破壊を食い止めます。それでも、破壊を止められない場合には、輸血が必要となります。輸血が必要な状況まで悪化すると死亡率も高くなってしまいます。

もしもタマネギを食べてしまったら・・・
○すぐに病院を受診して、催吐処置を受けて下さい。
○動物病院へすぐに行けない状況では、自宅での催吐処置を試みて下さい。
 (自宅での催吐処置には各種方法がありますので、病院でお気軽にお聞き下さい)

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