ロイヤルカナンセミナー参加

3月23日にロイヤルカナン主催の消化器疾患についてのセミナーに参加してきました。前半は、慢性下痢の治療について、後半は肝胆疾患の食事療法についてです。  3週間以上消化器症状を示す慢性腸症は、食事反応性、抗菌薬反応性、ステロイド反応性に別れます。この順番に臨床症状や予後は悪いですが、50%以上が食事反応性という報告があります。  様々な検査に著変なく、内科療法に反応しない子でも食事を変更するだけで良化する場合があるとのことです。そして、不思議なことに良化後、フードを戻しても再発しないことが多いそうです。  また、脂質負荷をかけるとALPが上昇したり、胆嚢の運動性低下が起きます。そのため、空胞性肝障害や胆嚢粘液嚢腫の場合でも低脂肪食で良好な結果が得られることがあるとのお話でした。  食事療法は、体に負担のかからないやさしい治療法となります。その子に適したフードかどうかを判断するためには、数日~約2~3ヶ月ほどかかる場合があります。また、数種類試さなければならない場合もあります。しかし、適していれば、休薬や減薬も可能になるかもしれませんので、投薬ストレスを軽減してあげることができます。食事療法は、治療法の1つとしてご紹介させて頂いておりますが、飼主様も「うちの子のフードはどうかしら?」と思いましたら、どうぞご相談下さい。

獣医師 半澤