講習会参加

7月5日に札幌市小動物獣医師会主催の講演会で、日本獣医生命科学大学教授の竹村直行先生による「オムニバス形式で学ぶ心臓病診療の実際」に参加してきました。

おおまかな内容としては、
1.聴診関連
2.心エコー図検査関連
3.僧帽弁閉鎖不全症関連
4.心筋症関連
5.腎臓病関連

上記の項目で、基本的なことから最新知見、また竹村先生の臨床経験など大変勉強になり、時間が足りないぐらいでした。 一般検査として、心拍数・呼吸数が大事ですが、竹村先生も呼吸数を侮るな!と心臓の悪い子は安静時の呼吸数をチェックすることを推奨されていました。
犬の心臓性肺水腫の安静時の呼吸数は40回</分とされ、感度、特異度ともに100%で、血液検査やエコー検査よりも信頼性が高いとのことです。 また、猫で多い動脈血栓塞栓症ですが、私たちの年代の教科書では、診断の一つとして爪の切断により出血の有無を確認するとなっていました。しかしながら、今はその必要はなく、「The 5Ps」と言われる5つのPから始める言葉による診断と変って来ています。
腎臓病関連では、特に犬では尿タンパクの評価が重要とのことでした。猫では尿タンパクは検出されにくいですが、試験紙のみの検査では治療の必要な子を見逃すことがあるとして、当院でも実施している尿タンパク/クレアチニン比の検査を健康診断項目として診ていくことも推奨されていました。

獣医療もどんどん更新されていきます。講習会で学んだことを当院でも取り組んでいきたいと思います。

獣医師 半澤