腎不全を早期発見するための新しい検査 SDMA

日本臨床獣医学フォーラム北海道地区大会がコンベンションセンターで開催され、腎臓における新しい検査方法が紹介されました。

今まで腎機能の評価として、血液化学スクリーニング検査ではBUN,Creをみてましたが、腎機能の75%が失われて初めて明確に上昇し、早期発見には不十分でした。また、尿比重の低下は、腎臓病以外でも起こったり、腎機能の67%が失われてから低下するため、それほど早期発見にはなりませんでした。そのため、早期に腎臓病を発見できる簡便な検査が必要となっていました。

SDMAは、細胞の核内で作られ、ほとんどが尿に排泄されます。CreやGFR(糸球体ろ過率)ともよく相関し、Creの上昇と比べて、猫で平均17ヶ月、犬で平均9.5ヶ月早く上昇すると言われています。2016年夏以降から検査受託の予定となっています。

早期発見できれば、早期治療をスタートすることができ、延命にもつながります。動物病院にとって心強い味方ができましたね。

獣医師 半澤