整形外科用抗菌コーティングプレート

人医療で使われている抗菌効果のある銀コーティングされたプレートが動物でも使えるようになりました。プレートとは整形外科で使用される金属製のインプラント(体内に入れ込む器具の総称)なのですが、インプラントが体内に入るということは、同時に感染リスクを持つという事を意味します。そのため、特にインプラントを多用する整形外科領域では手術時の感染予防は術者にとっても最大の関心事項でとなり、術前、術中、術後の感染対策が各施設でできる限りの対策をもって挑まれています。

下図は犬の膝の靭帯断裂(前十字靭帯断裂)で使用される銀コーティングされたTPLOプレートと呼ばれるものです。従来はシルバー色のプレートがゴールド仕様になっています。見た目の特別感もさることながら、人医のデータではありますが、銀コーティングには細菌付着阻害効果やバイオフィルム形成阻害効果があり、これまで通りの感染対策を行いながら抗菌コーティングプレートを使用する事で感染リスクが減じる事が証明されています。
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人医の世界から入ってくる様々な技術の速度が、一昔前と比べて少しづつではありますが早くなってきているように感じられるようになってきました。当院でも積極的により良い技術を取り込み、動物の治療の向上に少しでも貢献できる事を目標にしています。